收藏

グッ チバ ッグ 新作 2013編集

 と私が首をかしげて言うと、当り前だとアメリカ人の懲役たちは、胸を張って見せたのでした。 [#改ページ]

 わが家はネコ年!?  静かに暮れていく昭和六十二年、一九八七年と書きたいのですが、私の周囲は、とてもそんな様子ではありません。  マッチ箱より小さい感じなので、それなら麻雀のパイかキャラメルだろうと、キャラメル・ハウスなんて呼んでいる川崎のわが家です。  そのすぐ向いのアパートにある私の仕事部屋では、ファクシミリから怖ろしい音がしています。 「ジッジッジッ……」  機械から催促の紙が、ジリジリッとせりあがって出て来ると、それに合わせたように電話が鳴るのです。  もっともその電話には、私が今世紀最高の発明品と信じている|居留守番電話《ヽヽヽヽヽヽ》が、仕掛けてあるので、女の編集者のいらだった険しい声が聴こえて来ても、私は平チャラでした。 「まああの|女《ひと》ったら、俺にだけこんな非道い声を出して……恋人と一緒にいる時の声と、いったいどっちが地声なんだ。いい加減にしやがれ……」  遅れている原稿のせいで、卑怯な居留守を決めている自分のことは、すっかり棚にあげて、しきりとそんなことをブツブツ言っている私です。  去年の秋の深まった頃から、これでもう一年以上も、こんな状態が休みなく続いています。  この忙しさも、すべて最初に出した単行本『塀の中の懲りない面々』が、おかげさまで、とてもよく売れたからでした。
表示ラベル: